一番乗り

うさぎさんのお遍路道中記

作成日：2014年03月26日 訪問日：2014年03月24日
20番札所 霊鷲山鶴林寺

朝食を取らずに６時１５分出発。
自信のない登山、何が起こるか分からないので出来るだけ余裕を持って登り始める。
前回は伊吹さんご夫妻、ソンちゃん、不良遍路さんと一緒に登り、どれだけ励まされたことか。
今日は一人だ。
やるしかないのだ。

登山口から徐々に傾斜がキツくなる。
アスファルト道がしばらく続き、次第に山道へ。
丸太の階段をえっちらほっちら登る。
途中車道に出た。
そこには前回疲れ果て、ザックを下ろして休憩した木のベンチがあった。
私を気遣い、一緒に登った不良遍路さんが横に座ってくれたベンチだ。
あの暑い夏の日を思い出しながら、休むことなく登った。

すると遥か前方に二人の女性らしい後ろ姿が見え隠れする。
あの人達について行こうと頑張るが、距離は一向に縮まらない。
それどころか離れて行くのだ。
休憩することなく４０分登り続けたところで、休憩中の女性二人にやっと追い付いた。
鳴門から来た６０代の元気な健脚女性と、京都から来た７０代の女性。
宿で出会い一緒に歩いているという。
私が挨拶をすると６０代の女性が「痩せっぽちの男の子が上がってきたと思ったら、女の子だったのね！」
残念ながら、付いていないのだ。
「女子でございます。」と深々とご挨拶。
ここから三人で鶴林寺を目指すことに。
宿を出てちょうど一時間後、鶴林寺に到着。
まだひと気の無い本堂、大師堂で寝たきりの父のことを祈願した。
お参りを済ませると、何とか一つ目の山を登れた安堵感からか、お腹がグーグー唸り出した。
食べる前に納経をしようと思いお願いすると、納経所の方が「歩き？早いね、今日の一番だよ。」とおっしゃるではないか。
生まれて初めての納経一番のりだ！
小さくガッツポーズ。
可愛いツルの柄の入った布巾も記念に買うことにした。
幸先がイイぞ?！と思って景色を眺めていたら、健脚鳴門女性が「はい、出発！」
休憩する事なく、転げ落ちるように太龍寺に向かう事になった。
もちろん、お腹はグーグー鳴り続けていた。

登山口から直ぐの休憩所。

朝もや。今日はお天気が良く気持ちがいい。

鶴林寺山門。一つ目の札所に何とか到着だ。