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ドキドキの山越え

うさぎさんのお遍路道中記

作成日:2011年08月29日 訪問日:2011年08月27日
20番札所 霊鷲山鶴林寺


民宿金子やさんで伊吹さんご夫婦と感動の再会を果たした。
前日、ラーメン屋で涙のお別れをしたのに、また一緒に歩くことになるとはご夫婦は思っていなかったようだが、実はここで再び再会出来るよう徳島駅の居酒屋で密かに三人会議を行っていたのだ。私達は相当な悪だ。
宿でご夫婦を待ち構え、ビックリさせて差し上げた。ご夫婦の驚いた顔が忘れられない。

朝5時に起床。これまで首にぶら下げていたさんや袋をザックにぎゅうぎゅう詰め込み、なるべくザック一つになるようパッキングした。
朝6時に玄関に集合し、再び五人で二十番札所を目指して歩きだした。
今日の先達さんは伊吹のお父さんだ。
ワイワイ言いながら登山口へ向かう。
私は焼山寺で打ち拉がれた悲しい思い出があったのでとても緊張していた。
それを感じたみんながそれぞれに応援してくれた。
伊吹さんご夫婦が居てくれるととても安心感があり、ソンちゃんと不良遍路さんが居てくれると勇気をもらうことが出来た。
オマケに昨日買ったフルーツはすべて不良遍路さんが「重いから僕が持つ」と私の手から奪い取った。強く奪い取ったその優しさが身に染みた。
皆の気持ちを胸に込め、頑張ってずんずん登る。
焼山寺と違って、足元が整備された道が多く思ったより歩きやすかった。
しかし山は山。登りはキツいのだ。
先達さん、奥様、ソンちゃん、私、不良遍路さんの順に登る。ゼーハーゼーハー息を切らしながら進む。
時間が経つにつれソンちゃんとの距離が開く。
汗を拭き、息を切らしながら見失わないように進む。
しかし30分以上登り続けるとバテた。荷物の置けそうなスペースを見つけ、ザックを下ろして座り込む。後ろの不良遍路さんに「すぐに行くので先に行っててね」と言うが、彼は「僕も疲れたから休みます」と言う。顔を見たが全然疲れの色は無かった。
あ~迷惑掛けてるなぁ…と申し訳なくも、自分のため、この人達のため頑張らねばならないと深く思った。
きっと、不甲斐ない私のために大師様がこの人達と一緒に登るよう巡り合わせてくださったに違いない。気を取り直して重いザックを担ぎ上げまた歩む。

少し登ると皆が待っていてくれた。ありがたい。
何度も何度も励ましの掛け声をいただきながら、体力的に上がらなくなった両足を気力だけで振り上げ一歩一歩前進した。
午前7時30分二十番札所に到着。歩行距離たったの3.3キロだったが、私にとってはこれまでにない苦業だった。
頂上は澄んだ空気で清々しく涼しかった。
本堂では無事お参りが出来たお礼を言い、大師堂で大師様に皆に巡り合わせて、この地に導いていただいたことのお礼を言った。
納経所でご朱印をいただいた後、ベンチに腰掛け、朝ご飯を食べることにした。
不良遍路さんに運んでもらったみかんを配り、梨を剥いて皆で分けて食べた。梨は不良遍路さんがお寺の水道を借り、冷やして洗ってくれていたので、とっても冷たくて美味しかった。
伊吹さんご夫婦に「頑張った、頑張った。予定より早く着いたよ。これなら焼山寺も大丈夫」とお墨付きをいただいた。もう有頂天だ。

ああ、登って良かった。
私はこの遍路旅で少し成長した自分を感じたのだった。

 
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やったー到着だ

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