スマホのシャッターはどこ？

ひざカクカクさんのお遍路道中記

作成日：2014年10月12日 訪問日：2014年08月28日
6番札所 温泉山安楽寺

歩き遍路２日目、今日はホテルに車を置いてバスと歩きの旅である。
6時起床。
雨が降っているが予報によると午後は回復するそうでやや安心。
今日の目標は、11番藤井寺である。

ホテルを出て徳島駅前のバスターミナルから鍛冶屋原行きに乗る。
念のため運転手に東原バス停は行くかと聞いたが、なぜか即答はなく、やや不安になる。
昨日歩き終わった東原バス停を8時30分ごろ下車。雨は小雨になった。
バス停から近くの6番札所安楽寺へ向かう。

参拝を終わって山門を出ようとすると、3人連れの若者に写真を撮ってほしいと頼まれた。
「いいですよ」と軽く答えたものの、渡されたのはスマホで、少しうろたえる。
ガラケー派の私は、スマホのシャッターボタンはどこにあるか全くわからない。
目が点になったおじさんに若者は液晶画面のある場所を優しく教えてくれたのでありました。

気を取り直して、小雨の中を7番十楽寺に向けて歩き出した。
道中、田んぼの向こうに、雲海につつまれた山々が見える。
このどこかに明日の目的地である12番焼山寺があると思うと、
本当に歩けるのだろうかと少し不安になる。

7番十楽寺に到着し、ホテル並みとの評判がある宿坊を間近に見ることができた。
すでにみなさん出発されたのか、人気がない。
参拝をしていると、車遍路をされている方から「わては体力がないので歩き遍路は無理や」と話かけられる。すぐに「歩き遍路は、金と暇がある人の道楽らしい」というネット上の書き込みを思い出し、そのまま口走ってしまった。イカンと思ったが後の祭り。なんとエラソーで思い上がったことを言ったのかと深い後悔の念。

十楽寺から県道１３９号に出たところで、8番札所熊谷寺への車用の案内板に沿って右折してしまい少し道を間違える。
ガードレールに貼ってあった「歩き遍路用のシール」を見落としてしまったらしい。ここで30分ほどロス。
他にも間違われた歩き遍路の方を見かけたので、ここは注意ポイントかも。

住宅地を歩き、8番札所熊谷寺に到着。
ここでは、スピーカーからお経？ご詠歌？が流れている。

次の9番札所法輪寺を目指す。
法輪寺は、周りが田んぼで、門前に托鉢の方が立っていた。
ここの休憩場所で、昼食をとる。
向かいの休憩スペースには、ひとり静かにタバコを燻らせている歩き遍路らしい女性がいたが、ここは喫煙可なわけね。　

10番札所切幡寺へ歩き出す。切幡寺は、参拝客が多く賑わっていた。
雨が本降りとなり、傘をさしながら333段ある階段をよたよたと上る。
参拝を終えて階段を下ると、さきほどタバコを吸っていた女性が昇ってくるのが見えた。
階段で道を譲っていただいた。恐縮。

ここから約9キロで本日のゴール11番札所藤井寺を目指して南下する。
途中、吉野川を渡った。
あとで調べて分かったが、吉野川はこの付近に大きな中洲があり、これを通るので潜水橋が２ヶ所あるらしい。中洲を歩いているときは、全くわからなかった。

潜水橋を車が結構通るので、そのたびの道路脇に避難しなければならない。
潜水橋を過ぎて国道を斜めに横切った後は、住宅地をひたすら歩くことになる。
地元の小学生に挨拶された。

舗装路を歩き、道標に従って右折、ゆるい登り坂を行くと、藤井寺に到着する。
既に雨は止んでいる。
参拝した後で明日の12番焼山寺への入り口を確認する。
ここが「遍路ころがし」と呼ばれる難所の入り口かと、
明日の奮闘を想像しながら、しばし眺める。

鴨島の町へ歩いていると、車の中から「温泉いくならこっちやで」と親切に教えてくれた女性がいた。車は、交差点の真ん中に半固定状態で、通行を妨げられた周囲の車は特にクラクションを鳴らすこともなく静かに待っている。さすがお遍路の土地である。

鴨島の国道192号線からバスで徳島駅前へ戻る。
雨中の歩きで疲れたので、バスでの居眠りは気持ちが良かった。
今晩の夕食は、徳島駅ビル地下で販売されていた、とんかつ弁当とした。
値段の割には中味が充実しており、コンビニ弁当より出来がよい。
ホテルへ戻り、ビールを飲みながら弁当を食べて爆睡。
本日の歩行距離約22㎞

遠くに見える山々、このどこかに焼山寺が・・・

7番十楽寺の立派な宿坊

吉野川の広大な中州を歩きました

車がけっこう通ります　吉野川の川島潜水橋

地元の元気な小学生