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お大師さま現る

うさぎさんのお遍路道中記

作成日:2014年02月04日 訪問日:2012年09月19日
60番札所 石鈇山横峰寺


国分寺を後にし、4キロ先にある道の駅湯ノ浦を目指すことにした。
しばらく県道を歩くと、交通量の多い国道に出た。
広い歩道はあるが、やはり交通量の多い道沿いは砂埃や排気ガスが多く歩き辛い。
おまけに影が無く暑いのだ。
アスファルトに照りつける太陽が更に暑さを増し、木陰のない道をひたすら歩いた。
おトイレを我慢しもじもじしながら、午後12時40分道の駅に到着。
温泉が湧いているのか、積まれた石の間から湯気が噴出してした。
売店で名物のはっさくゼリーを買い、ここで昼食をとることにする。
ベンチでおにぎりを食べていると、観光客らしい人達が物珍しそうに私を見て、何か話しているのが聞こえてきたが、空腹の方が優先だ。
以前の私なら恥ずかしくて食べられなかっただろう、もう慣れたので気にせず食べることにした。
ここで、今夜の宿の予約を入れる。
12キロ先の栄家旅館さんに電話をすると、快く受け入れてくださった。
宿には午後4時を過ぎることを伝える。
30分ほどの休憩を終え、2.5キロ先にある世田薬師に向かう。

国道から再び車のいない遍路道に入ると西条市の看板が出てきた。
やや傾斜のある坂道を歩くこと30分、立派なお寺が見えてきた。
「薬壺封じ道場世田薬師」の石碑が立っており、敷地も広く建物も立派であった。
道場と聞くと柔道姿で投げられそうなイメージがあるが、大丈夫だろうか。
とりあえず、靴を脱いで本堂に上がり、お参りをする。
同じ本堂内にある納経所では女性が座っており、納経をお願いする。
どうやら柔道着は勝手なイメージらしい。
女性の前で正座をし、サラサラと流れるように達筆で書いてくださる姿に見とれていると、女性は私が歩き遍路であることを知り「暑かったでしょう」と言いながらキンキンに冷えたポカリスエットと世田薬師オリジナルのお菓子をお接待してくださった。
お礼を言い、外に置いてあったザックのところに戻り、ポカリを美味しくいただいた。
暑くて死にそうだった身体に染み渡るポカリは格別の味だった。
ポカリってこんなに美味しいものだったと感動した。
すると足元に黒ネコが来て寝ころんだ。
ネコ好きの私は驚かさないようにゆっくりしゃがみ、そぉーっと撫でてみる。
人馴れしている姿から、このお寺の飼い猫のようだ。
きっと黒いから名前は黒ちゃんに違いない。
「黒ちゃ?ん、黒ちゃ?ん」としつこいくらい名前を呼びながら撫でまくって楽しんだ。
遍路地図を見るとまだ宿まで10キロ弱歩かなければならない。
黒ちゃんと別れるのは名残惜しいが、進まねば。
午後2時10分宿に向けて歩き出す。

臼井御来迎は湧水があり凄く冷たくて綺麗な水だった。
日切大師を通過し、カンカン照りの県道をひたすら歩く。
今日一番のキツイ道のりだ。
宿は遍路道を外れたところにあるため、少し道に迷うが道路工事のおじさんが親切に道を教えてくださったおかげで、午後4時20分無事到着することができた。
栄家旅館さんは古いが掃除が行き届いており、夕飯は家庭料理という感じでとても美味しかった。女将さんは親切で、一人歩きの私を優しく労ってくださった。
明日はとうとう横峰寺。苦手な登山だ。
しかし、遍路旅で知り合った先達の辻さんが徳島から応援に駆け付けてくださるという。
軟弱な私にとっては、大変心強く、ありがたい。
辻さんに足を向けて寝ては罰が当たるので、方角を確認するが、方向音痴な私にはどっちが北なのかつい地図をぐるぐる回してしまうのであった。

平成24年9月19日
午前6時半に朝食をいただき、午前7時出発することにした。
まず、目指すは辻さんと待ち合わせのファミリーマートだ。3キロほどの道のりを歩く。
天気は晴天。遥か前方に霞んで連なる高い山々が見えてきた。
たぶん今から登る横峰の山だ。
あれを今から越えるのかと思うと不安になるが、今日は辻さんが私の重いザックを運んでくださるお接待を申し出てくださっているので、頑張ろう。
登校する小学生や登校を見守る先生が元気にあいさつをしてくださる。私も元気に笑顔であいさつを返す。
午前8時、待ち合わせのファミリーマートで待っていると車で辻さんが現れた。
本日のお大師様の登場だ。
しばらくぶりの再開、まずはご挨拶とお礼を言う。
必要なものだけ持ちなさいと言われ、さんや袋に旅のお供のお菓子とペットボトルのお茶500ml、お水500ml、納経帳、を詰め込んだ。
お昼のお弁当も買い、ザックと共に辻さんの車に乗せていただく。
とりあえず6キロほど先にある東屋で待ち合わせを約束し、午前8時身軽に歩き出す。
妙雲寺を午前8時15分に通過し道は徐々に坂道となり、その坂道は延々と続いた。
川沿いに道は続き、まだ開店していない喫茶てんとうむしの前を通過し、しばらくすると先に車で走っていった辻さんが歩いて迎えに来てくださった。
雑談しながら一緒に坂道を歩き、午前9時15分東屋に到着した。
ここには最後のおトイレがあるため、済ませておくとよいらしい。
登山口を見ると女性が一人登って行くのが見えた。
辻さんが「一人が不安なら、あの人に付いて登っていったら?」とおっしゃるので、それは名案だと、一息ついてからすぐに女性の後を追うことにした。
次は横峰寺の境内で待ち合わせをすることを約束し、いざ山道へ。

登山口の階段は、台風の影響か水がダーダー流れており、歩き始めから靴が浸水してしまった。
道は急な山道で、足場が悪い。ぬかるんだところも多々あり、滑りやすかった。
先行く女性はお遍路さんというより、登山者のようで、両手にストックを持ち軽々と登って行くのが見えた。
追いつこうと頑張って登るが、とうとう姿を見失ってしまう。
薄暗い山道をえっちらほっちら歩く。ザックが無いだけ他の方より随分と楽をしているにも関わらず、とてもキツイ道のりだった。
200メートルほど登っては休み、登っては休み。500mlのお茶はすぐに無くなった。二本持ってきて正解である。
キャラメルを一つ口に入れて、一粒何メートル走れたんだったかな、、、昔のコマーシャルを思い出そうとするが、歳のせいか思い出せない。
何粒食べると頂上に辿りつけるのだろうか。
そう考えながら1時間歩いたところで疲労困憊、座り込む。
でも遠くからわざわざ応援に来てくださっている辻さんを待たせるわけにはいかないと、気合を入れ直し棒になった足を前に進めた。
汗だくになりながら午前10時50分、横峰寺に到着することができた。
山門のところには先を歩いていた女性が休憩しており、声を掛けてみた。
地元から来た小柄な50代の女性で、週に3回ほど健康のために登っているとおっしゃる。
すごい、すごい人がいらっしゃるのには驚いた。
私なら、週に3回も登ったら逆に健康を害してしまうだろう。
「恐れ入りました」と頭を下げると笑っていた。
山門で深々と挨拶し、納経所の前の階段を上がり本堂に向かう。足が棒の私には実はこの最後の階段がきつかった。
ここにも団体お遍路さんが10人ほど参拝中であった。

程なくして辻さんが駐車場から私のザックを持って本堂に現れた。
辻さんは先達さん。お経はお手の物だ。
勉強のため辻さんの後ろでお経本を開き、後に続いて唱えることにした。
息継ぎの箇所や抑揚は人それぞれ。上手な方はだいたい同じ箇所で息継ぎをされているようだ。
真似をしていたら呼吸困難になりそうだった。
本堂では家内安全、大師堂ではたくさんのお遍路仲間と出会わせてくださったことのお礼、そしてこのように温かく私の遍路旅を支えてくださる辻さんの無病息災をお願いした。
納経を終えると時刻は午前11時20分になろうとしていた。
辻さんが「お昼ご飯にしようか」とおっしゃったので、待ってましたとばかりに膝を手で鳴らす。
お天気も良いので、580メートル上がった星が森でお弁当を食べることにした。
星が森からは見る山々はとても綺麗で、あいにく石鎚山は霞んで見えなかったが絶景を満喫した。何より、山で食べるお弁当はとても美味しいのだ。
不安だった横峰を登頂し、安心感が出たのかお弁当を食べるとすぐに眠くなってしまった。
ぼんやりしていると、辻さんが次は香園寺までザックを運んでくださると言う。
横峰寺でお別れだと思っていたので、パっと顔が明るくなったのは言うまでもない。
いそいそと欲深ザックを預けて次を目指すことにした。
次の待ち合わせは7.6キロ先にある白滝奥の院の東屋だ。
時刻は正午、暑さも登山疲れもあったが、今日は辻さんのおかげで順調だ。

 
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道の駅で買ったはっさくゼリーは冷たくて甘酸っぱい。

道の駅で買ったはっさくゼリーは冷たくて甘酸っぱい。


道の駅湯ノ浦では温泉が湧いている

道の駅湯ノ浦では温泉が湧いている


世田薬師でいただいた命の水ポカリと、オリジナルお菓子。

世田薬師でいただいた命の水ポカリと、オリジナルお菓子。


たぶん飼い猫の黒ちゃん

たぶん飼い猫の黒ちゃん


臼井御来迎

臼井御来迎


湧水がキレイだった。

湧水がキレイだった。


栄家旅館さんの夕食。実家に帰ったような感じで、温かく美味しかった。

栄家旅館さんの夕食。実家に帰ったような感じで、温かく美味しかった。


汚くて申し訳ないのですが、参考までに。我流のテーピング。毎朝これをするようになったら、マメが出来なくなった。

汚くて申し訳ないのですが、参考までに。我流のテーピング。毎朝これをするようになったら、マメが出来なくなった。


横峰に向けて歩き出す。遥か彼方のあの山を、今から越えて行くのだ。

横峰に向けて歩き出す。遥か彼方のあの山を、今から越えて行くのだ。


とにかく、登るしかないのだ。

とにかく、登るしかないのだ。


無事横峰登頂。古く大きな山門が迎えてくれた。

無事横峰登頂。古く大きな山門が迎えてくれた。


星が森からの景色。素晴らしかったので、ぜひ足を延ばしてほしい。

星が森からの景色。素晴らしかったので、ぜひ足を延ばしてほしい。

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