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吹雪の出石寺に雪中山行

稲妻丁型さんのお遍路道中記


作成日:2018年03月17日 訪問日:2018年02月13日
四国別格二十霊場 第7番札所 金山出石寺


今日は曇のち雪の予報、昨晩も雪が降り 新雪が道を覆っていました。
大洲の朝の気温は −2℃、最高気温予報は 6℃だが、山の上は氷点下のままだろう。
しかし、ここと久万高原が 冬型の気象状態時は 雪が降ることが常識のようでしたが、
ここまで多くの雪が降るのは 何十年ぶりと地元の方も言っていました。
ときわ旅館の親切な旦那さんも 止めた方が良いとアドバイス貰いましたが、
”行けるところまで行って、無理なら引き返して来ます” と伝えて出てきました。
昨日 偶然出会った逆打ちの別格参拝者からの情報で、車道で往復可能と聞いていたので、
大洲のときわ旅館から打戻りで 車道のみで歩いて行く計画のため、距離は往復37kmの長丁場。
遍路道は新雪に埋まっており、途中で出会った地元の人に聞くと 吹きだまりでは腰近くまで埋まってしまうとのこと。
車道を登り出すと 雪が積もっており、早朝 通った車のわだちを歩いて、体力の消耗を防ぎました。
残り11km標識からは 車道を走る車無く、新雪に覆われていました。
幸い 雪の深さはくるぶし程度までなので、何とか歩いても靴に入らない程度。
でも、吹きだまりでは 足首を越えるので、慎重に登ります。
スパッツとアイゼンを23番 薬王寺から送り返してしまったことを後悔。
こんなに雪が積もるとは想定外でした。
(この後の 横峰寺、雲辺寺、大瀧寺山越えのために送り返して貰いました)
帰りも 新雪歩くことを考えながら 体力と時間を残すことを真剣に考えながら歩きます。
遍路道との分岐点である 県道248号の交差路に出て、自動車のわだちを見つけた時はホッとしました。
遍路道は 雪に埋まっており、新雪に厚く覆われていました。
遍路道は諦めていたので、ここから 県道を瀬田方面に100mほど下り、
分岐から登り返し、先ほどから降り出した雪は 林の間では強く感じませんが、
県道28号との合流の峠からは 吹雪に変わっていました。
少ない車のわだちは どんどん埋まっていきます。
途中で下山を諦めた車が路肩に停めていましたが、雪に覆われて掘り出すのも大変そうです。
本当に雪山登山と変わらない状況に 出会う車も無く、雪と戦いながら 体力と時間を気にしながら一歩一歩進んでいきます。
出石寺の駐車場に着いた時は あと少しだという安堵感を感じましたが、強くなる吹雪に 帰りに一抹の不安を感じました。
持ってきた水は ペットボトルの中で シャーベット状に凍り出しているので、氷点下は間違いなし。
もし、体力不足で歩けなくなったら 凍死間違い無しです。
朝から 休む処無く、腰を下ろす場所も無いので歩きどおし、吹雪で手持ちの食料も食べられません。
その時 祠が見え、大師像を見た時は 着いたとの達成感で ドッと安心しました。
しかし、そこから見える長い石段は 全て雪に埋まり、上級者のゲレンデの様に見えます。
石段が見えないので、お寺の人が歩いたと思われる一つの足跡を頼りに 石段を登りますが、
雪の下は 凍った雪なので、滑りやすい、手すりを頼りに登っていきます。
山門に着くと 深い雪に埋まった境内、新雪の除雪がこれからなので、本殿も大師堂も雪の中、
更に屋根から落ちた雪が高く積もっており、参拝するのも大変な状態。
ここからは 膝までの雪を進みながら、石段を探りながら、雪の壁を乗り越え、
吹雪を遮りながらロウソクを点け、線香をあげました。
納札を取り出す指が震えて 上手く取り出せません。
納経する手は震え、唇も上手く動きません。
やっとのことで、お参りを終えて、納経所に行くと 外から窓越しにお願いする型式で、
吹雪や寒さを和らげる場所を期待した自分は落胆しました。
納経を貰ってから、風を防ぐ場所で、震える手で靴を脱ぎ、中に入った雪を払い、足が濡れないように整え直しました。
しかし、ズボンの裾に付いてしまった雪は凍り始めており、簡単には落とせません。
寒さが我慢出来ず、靴に入らないところは 落とすのを諦めました。
山門に着いたのが 11:30、18.5kmを 4時間45分で登ってきました。
参拝を終えたのが、12:00 日暮れまで 5時間弱あり 人里まで戻れそうなので、時間は大丈夫。
体力も 100mの登り返しも 新雪の車道も 雪が増えていなければ どうにか歩けそう。
気を取り直して ご接待で貰った 飴をなめながら、吹雪の境内を後にしました。
先ほどからの吹雪は収まるどころか 更に風が強くなっています。
消えかけの車のわだちを歩いていたら、後からいつの間にか軽自動車(ホンダの古いZ、やはり4WDですよね)が
ゆっくり降りてきて、私の横に停まり、運転していた若い女性の方が、
”大丈夫ですか、峠まで乗っていきますか?”と初めて 自動車接待を受けました。
”ありがとうございます、ありがたいのですが 歩き遍路なので 歩いて行きますので、ご辞退致します”と応えると
大丈夫だろうかと 心配の視線を投げかけられましたが、”心配しないで下さい、雪山登山もしていましたから”と応えると
心配しながら 窓を閉めて ゆっくりと下って行きました。
でも、残してくれた わだちが 歩きを助けてくれる ご接待になり、ありがたかったです。
多分、境内には私以外居なかったので、お寺の関係されている方なのでしょうね。 
乗せて頂けなくても、轍だけで十分でした。 ありがとうございました。
国道28号の分岐まで来ると 先ほどの車は 八幡浜の方に轍を残していたので、ここからは轍接待も無くなりました。
八幡浜方面から もう一台 軽自動車が登って来ましたが、吹雪の出石寺の方に登って行きました。
急登の雪道をゆっくりあえぎながら登って行きましたが 吹雪の中 お参りでしょうか?
ここからは 林間の道になるので、吹雪は収まりました。 
登ってきた時の轍も残っており、轍を歩いて歩けました。
ここからは 雪も小降りになり、風も収まってきたので、パンを歩きながら食べることが出来ました。
やっと カロリーを補給出来ました。 朝 出発してから 6時間位経っています。
このくらいの小雪なら 朝の自分の足跡も残っているだろうから 体力も大丈夫だと安心しました。
吹雪で 足跡が消え、更に積雪していたら 歩いて帰れるか 不安でしたので、やっとホッとしました。
でも、止まったり、腰を下ろせる処は 行きで分かっていましたが、どこにもありません。
剣道248号と合流地点から登り返しになりますが、ここの近くで 今日3台目の軽自動車に追い越されました。
業務用の軽バンタイプに乗っている二人は こんな天気で 歩きの遍路は大丈夫かと言う目で見ていましたが、
すでに 雪の天候は回復になっており、行きで歩いてきた道を引き返すので、状態も分かっているので、
大丈夫ですよと 笑顔で見送りました。
峠までの登りも 自分で思っていたより 体力が残っており、立ち止まることもなく登り切れました。
そこで 見た光景を忘れられません。
先ほどの軽自動車は 国道248号を峠を越えて 上須戒方面を目指していたようですが、
急転舵をして 私の足跡がある 高山方面に曲がって、新雪の上に 新しいタイヤの轍を残して登って行く跡がありました。
新雪に埋まった足跡を頼りに 脚力を奪う新雪歩きと思っていましたが、轍により、新雪歩きから解放されました。
多分、あの軽自動車の人たちが 私が楽に歩けるように ルートを変えて、新雪にハンドルを取られ、
スタックする危険をおかしながら 轍をご接待してくれた事と理解しました。
本当に このご接待は嬉しかったです。 行きに新雪歩きで苦労したので、一気に疲れが吹っ飛びました。
所々で 新雪に隠れた氷塊で ハンドルを取られたり、リアタイヤがスライドした跡を残しながら、
人家がある11km地点まで 轍は続いていました。 所々、雪で道に倒れた竹や木の枝を避けながら。
朝 雪で埋まっていた人里は 除雪され雪が消えており、更に歩きやすくなっていました。
帰りに歩く気が起こらなかった遍路道を下ってみたら、吹きだまりに腰近くまでの雪と 越えるのが大変な倒木、
落ち葉の上に積もった雪で足を取られ 何度も転倒するなど、散々な目に遭いました。
やはり 雪の遍路道は行けません。
気を遣っていた靴の中もずぶ濡れ、氷点下の山の上なら凍傷の危険もあります。
ズボンも濡れてしまい、雪の遍路道の怖さを知りました。
雪の遍路道で時間を取られたので、帰りも宿まで 4時間30分 掛かりました。
宿に帰ると 旦那さんの気遣いが心に染みました。
玄関に 丸めた新聞紙が ビニール袋一杯、畳んだ新聞紙も用意され、靴が濡れることを予想して準備してくれていました。
すぐに風呂に案内されましたが、大きなお風呂も ぬるめのお湯で 冷えた身体を直ぐに温められるように気遣いされていました。
部屋もファンヒーターで暖められており、机の上には まめの治療セットや傷テープ、使い捨てカイロまで用意されています。
本当に頭が下がります。

昨晩の雪で諦めかけていた 出石寺に行けたことで、今回のお遍路が結願に光が見えてきました。
今回の山行は 数々の偶然の積み重ねでありどれが掛けても無事に行けたか分かりません。
弘法大師は 試練を与えるけど、それを乗り越えるように手助けもしてくれると感じました。
最後に 雪への教訓を残してくれました。

 
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ルート図

ルート図


ルートの標高差

ルートの標高差


新雪の車道を登る、結構体力を浪費する

新雪の車道を登る、結構体力を浪費する


あるのは動物の足跡のみ

あるのは動物の足跡のみ


やっと峠に到着、国道248号の轍に感激、やっと新雪歩きから解放された

やっと峠に到着、国道248号の轍に感激、やっと新雪歩きから解放された


遍路道は深い雪の中

遍路道は深い雪の中


車道の途中で見た自然の氷柱、確実に氷点下

車道の途中で見た自然の氷柱、確実に氷点下


県道28号との合流地点、郷峠、ここから吹雪が強くなる

県道28号との合流地点、郷峠、ここから吹雪が強くなる


途中に置き捨てられた車、雪に埋まっています。

途中に置き捨てられた車、雪に埋まっています。


吹雪の中の弘法大師像

吹雪の中の弘法大師像


雪に埋まった 山門までの長い石段

雪に埋まった 山門までの長い石段


石段 振り返り

石段 振り返り


山門にて

山門にて


雪に埋まった境内、除雪も間に合いません。

雪に埋まった境内、除雪も間に合いません。


大師堂までの石段は深い雪に埋まっています。

大師堂までの石段は深い雪に埋まっています。


本堂までの足跡

本堂までの足跡


本堂までの石段は 更に雪に埋まっています。

本堂までの石段は 更に雪に埋まっています。




本堂前は 屋根から落ちた雪が高く積もっています。

本堂前は 屋根から落ちた雪が高く積もっています。


大師堂も 雪の中

大師堂も 雪の中




線香台も納札入れも雪をかぶっています。

線香台も納札入れも雪をかぶっています。


納経所に向かうと更に雪が強くなりました。

納経所に向かうと更に雪が強くなりました。


昼なのに 今日初めての納経とのこと。 納経所の方は この天候の中、7:00に間に合うように来ていたそうです。 みかんと飴の接待を受けました。 でも、風の当たらない場所に腰を下ろしたかった。。。

昼なのに 今日初めての納経とのこと。 納経所の方は この天候の中、7:00に間に合うように来ていたそうです。 みかんと飴の接待を受けました。 でも、風の当たらない場所に腰を下ろしたかった。。。


山門下の石段を慎重に下ります。 手すりと金剛杖が頼りです。

山門下の石段を慎重に下ります。 手すりと金剛杖が頼りです。


でも、凍った石段に足を滑らせ、何段か滑り落ちてしまいました。

でも、凍った石段に足を滑らせ、何段か滑り落ちてしまいました。


すでに自分の足跡も埋まるほど 雪が積もりだしています。

すでに自分の足跡も埋まるほど 雪が積もりだしています。


車接待を受けた ホンダ Zが慎重に降っていきます。 新しい轍が嬉しいご接待になりました。

車接待を受けた ホンダ Zが慎重に降っていきます。 新しい轍が嬉しいご接待になりました。


しかし、吹雪は止まず、不安が増します。

しかし、吹雪は止まず、不安が増します。


県道28号との分岐点、郷峠に着きました。 轍は八幡浜方面に降っています。

県道28号との分岐点、郷峠に着きました。 轍は八幡浜方面に降っています。


ここから林間に入るので、風が収まりました。 轍は埋まりかけていますが、雪の量が少し減り出しました。

ここから林間に入るので、風が収まりました。 轍は埋まりかけていますが、雪の量が少し減り出しました。


やっと ここで歩きながらパンを食べられるようになりました。

やっと ここで歩きながらパンを食べられるようになりました。


カーブミラーで記念撮影

カーブミラーで記念撮影


心配していた 高山への車道に 先ほどの軽自動車の轍が。。。助かります。

心配していた 高山への車道に 先ほどの軽自動車の轍が。。。助かります。


雪の下にある氷塊に タイヤを取られ、スライドしながらも進んでくれています。

雪の下にある氷塊に タイヤを取られ、スライドしながらも進んでくれています。


轍はこんな感じで 足の負担を減らしてくれます。

轍はこんな感じで 足の負担を減らしてくれます。


自分の踏み跡だと 雪が更に積もっているので、こんな感じで 靴の中にも雪が入ってしまいます。

自分の踏み跡だと 雪が更に積もっているので、こんな感じで 靴の中にも雪が入ってしまいます。


こんなにスリップして、崖に落ちそうになりながらも走ってくれました。

こんなにスリップして、崖に落ちそうになりながらも走ってくれました。


笹の葉もボディに当てながら走ってくれたようです。 轍のご接待ありがとうございました。

笹の葉もボディに当てながら走ってくれたようです。 轍のご接待ありがとうございました。


やっと 人里が見えてきました。 ここまで来れば安心です。 出石寺から車道で11km地点です。

やっと 人里が見えてきました。 ここまで来れば安心です。 出石寺から車道で11km地点です。


雪も融け始めたので、色気を出して遍路道に行ってみました。

雪も融け始めたので、色気を出して遍路道に行ってみました。


吹きだまりで足を取られました。 膝を越える深さです。 下には溶けかけた雪が。。。。 遍路道に行くのを止めとけば 靴の中が濡れることも無かった。。。

吹きだまりで足を取られました。 膝を越える深さです。 下には溶けかけた雪が。。。。 遍路道に行くのを止めとけば 靴の中が濡れることも無かった。。。


おまけに倒木だらけ

おまけに倒木だらけ




この遍路道だけで 雪に埋まったり、転んだり、倒木を越えたりで 体力を消費してしまいました。 やはり遍路道を行かなくて正解でした。 車道を最後まで行けば こんなに濡れたり、疲れて、時間が掛かることはなかった。 これからの教訓になりました。

この遍路道だけで 雪に埋まったり、転んだり、倒木を越えたりで 体力を消費してしまいました。 やはり遍路道を行かなくて正解でした。 車道を最後まで行けば こんなに濡れたり、疲れて、時間が掛かることはなかった。 これからの教訓になりました。

 まる 2018年03月18日 コメントNO:2330

稲妻丁型さん、出石寺の状態よくわかります。私は1月に車で参拝したのですが、この時も積雪でした。今年の四国は異常。大変な巡拝でした。
それにしても、すばらしい道中記。
また四国に来てくださいね(^-^)/

 稲妻丁型 2018年03月19日 コメントNO:2331

まるさん、今年の積雪量は異常だと納経所の方もおっしゃっていました。
毎日雪かきと言ってましたから。
厳しい冬に 88カ所も別格も結願出来たのは 良い思い出になりました。
今年の冬は こちらも久万高原も旧遍路道は殆ど歩けませんでしたので、
また、いつか 冬にどの位違うのか体感したいですね。

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プロフィール

稲妻丁型のアバター
  • ニックネーム:稲妻丁型
  • 性別:男性
  • 年代:50代
  • お住まい:栃木県
  • リンク:ホームページ

初めてのお遍路巡拝を乗り物に一切乗らず 歩きのみで
平成30年1月18日に 四国八十八カ所 1番霊場 霊山寺、別格二十カ所 1番霊場 大山寺から始め、
3月3日に 四国八十八カ所 88番霊場 大窪寺をお参りし、
3月4日に 別格二十カ所 20番霊場 大滝寺の霊場巡りを終え、
3月5日に お礼参りとして 別格二十カ所 1番霊場 大山寺、四国八十八カ所 1番霊場 霊山寺を戻り参拝し、
3月6-7日に 和歌山の高野山 金剛峯寺にお礼参りを行いました。
異常気象の低温、積雪の多さから 高知と愛媛の山は苦労しました。

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現在の巡拝数:88/88

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